16あると言われるアジュラック染めの工程を画像10枚でご紹介♪
「いかにもな色合いのアジュラック柄」が完成するまでの工程を画像10枚でご紹介します。ここまでに至る先の長い長い道のり…色づいていく過程をお楽しみください♪
1.ラクダのフン!やソーダ灰などを混ぜた液に生地を浸透させて一晩寝かせ、生地についた糊や油を取り除きます。ラクダのフンを使うとは、何ともナチュラルですね〜。
2.染料の吸着をよくするため、ミロバラン(木の実)粉を溶かした液で生地を下染めします。
3.ようやく生地の準備が整ったところで木版登場。アラビアガム、石灰などを混ぜた防染ペーストで柄の輪郭をプリントします。うっすらと輪郭が描けているのがお分かりでしょうか?この輪郭は最後にペーストを洗い落とすと何も色がついていないままの状態で残ります。
4.黒く色づけしたい部分をこの部分専用に掘った木版を使って、鉄媒染料(酸化させた古鉄)でプリントします。今はまだ茶色ですが、最終的にはっきりした黒になります。
5.ミョウバン液で媒染することで、のちにアリザリンと反応してきれいな赤色がでます。
6.藍で染めたくない部分に防染用ペーストをプリントします(うっすらオレンジ色の部分)。
7.ここで藍染め1回目。工程3と工程6で防染した箇所は藍色に染まっていないことが分かりますね。
実際に藍染をしている動画はこちらからご覧いただけます。
8.2回目の藍染めをして生地をしっかり乾燥させた状態。さらに深い藍色になりました。
9.ここで防染ペーストを洗い落とすと…あれまぁ〜、きれい〜。
10.さらにアリザリンで煮出すと、何ともきれいな赤が浮かび上がってきました。赤とブルーのコントラストがとてもきれいですね。工程3で防染した輪郭部分のみ色がつかない状態でくっきり残っているのがわかります。
いかがでしたでしょうか?
さらりと画像10枚でコンパクトにまとめましたが、実際はもっともっと果てしない工程を経て完成しているんです。
応用編
染料の違いによるアジュラックのカラーバリエーションをご紹介します。 前述の工程9までが基本形とすれば、これからご紹介するものは仕上げに異なる天然染料を用いた応用編。
ルバーブ(タデ科多年草)の根で染めたバージョン。しっとりとした落ち着きのある茶色に。
インド産の西洋茜の根で染めたバージョン。イラン産の西洋茜は真っ赤に染め上がるのに対して、インド産は優しいオレンジ色に仕上がるそうです。
ログウッド(マメ科の木)で染めたバージョン。渋いグレーがかったパープルに。
ラック(カイガラムシの分泌物)で染めたバージョン。発色のよいピンク色が特徴。
日本ではヘアカラーで知られているヘナ(ミソハギ科の植物)で染めたバージョン。わりとよく目にするカラーコンビネーションです。インドの結婚式などで新婦さんの手足に描かれるメヘンディと呼ばれるアートもヘナで描かれています。
ザクロの皮とターメリックで染めたバージョン。いかにもインドらしい鮮やかな色合いですね。